自立は、個々の人間が自己決定を行い、自身の生活を自己の意志と責任によって営み、自分自身の意思と決断に責任を持つことです。自立とはただ一人で何でもすることではありません。むしろ、自分自身の生活に対して責任を持つ能力や、適切な支援や資源を見つけ、利用する能力も含まれます。
自立というとすぐに経済的自立を思い浮かべる人も多いでしょうが、それだけではありません。自立は多面的な概念であり、精神的、社会的、経済的な側面があります。それぞれの側面を理解し、それぞれの自立を促進することが全体としての自立へとつながります。
1. 精神的自立
精神的自立とは、自分自身の意思と価値観に基づいて意思決定を行い、自分の思考や感情に責任を持つことです。精神的に自立した人は、他人の意見や評価に振り回されることなく、自分自身の価値観に基づいて行動します。
精神的自立を達成するためには、以下のようなスキルが必要です。
- 自己認識: 自分自身の強み、弱み、価値観、信念を理解すること。
- 自己肯定: 自分自身の価値を認め、自分自身を尊重すること。
- 感情の管理: 自分の感情を理解し、適切に表現・管理すること。
2. 社会的自立
社会的自立とは、社会の一員として自己決定を行い、社会との関わり方を自分で選ぶことです。これには、適切な人間関係の築き方、コミュニケーション能力、困難や対人問題への対処能力などが必要となります。
社会的自立を達成するためには、以下のようなスキルが必要です。
- コミュニケーション: 自分の思考や感情を適切に伝え、他人の意見を理解すること。
- 問題解決: 困難や対人問題に対処し、解決策を見つけること。
- 協調性: 他人と協力し、共同で目標を達成すること。
3. 経済的自立
経済的自立とは、生計を自己の力で立て、自分自身の経済的な問題を解決する能力です。これは、自分の生活を維持するための資金を得る能力だけでなく、お金を管理し、財政計画を立てる能力も含みます。
経済的自立を達成するためには、以下のようなスキルが必要です。
- 働く能力: 自分自身の生活を支えるための収入を得る能力。
- お金の管理: 収入と支出を管理し、財政計画を立てる能力。
- 責任感: 自分の経済的な問題に対する責任感。
各自立は互いに影響し合い、一つの自立が他の自立にを促進することがあります。例えば、精神的自立が進むと自分の価値観に基づいて生活を設計し、経済的な目標を設定しやすくなるかもしれません。逆に、経済的自立が進むと自身の選択肢が広がり、自己決定が容易になり、精神的自立に寄与することがあります。
まとめ
自立とは、単に一人で生活を営むことではなく、自己決定の能力と自身の選択と行動に責任を持つことです。そして自立には精神的、社会的、経済的な側面があり、それぞれの自立が互いに影響し合うことで全体としての自立が達成されます。
私たちは全ての側面で完全に自立することは難しいかもしれませんが、それぞれの側面を意識し、少しずつ自立を促進していくことが大切です。それぞれの自立が進むことで、自身の人生をより自分らしく、より豊かに生きることが可能になります。
