ビジネスにおいては、 柔軟な思考 を求められるシーンが多々あります。
臨機応変な対応や視点の転換は、トラブルの回避や改善点の発見、アイデアの発想にも欠かせない能力です。
柔軟な思考を養うためには、バランス感覚を身につけていきましょう!
経験が 柔軟な思考 の邪魔をしている?!
世の中の様々なことには、対立する価値観があります。例えば、信じることと疑うこと、与えることと受け取ること、高潔さと低俗さ、社交性と内向性、禁欲主義と快楽主義など、挙げたらきりがないくらいです。
これらの矛盾した価値観や欲求の中で、思考は混乱をきたします。そのため、人は「この考え方が正しいんだ!」という自分の中での正しさを確立しようとします。
けれど、その正しさは自分の経験の中でしか検証することができないため、違う経験を経て違う正しさを確立した人の考え方を受け入れることが難しくなっていきます。
大人と子供ではどちらが柔軟な思考を持っていると思いますか?という質問をしたら、ほぼ100%の人が子供と答えると思います。
では、どちらがより多くの経験を持っていると思いますか?という質問はどうでしょう。ほとんどの人が、大人と答える人のではないでしょうか。
この様に、経験はとても大事なものではあるけれど、時としてそれが柔軟な考え方の邪魔をしてしまうことがあります。
自分のバランス点を理解する
対立した価値観のどちらかに針が振れすぎた状態が続くと、人生を持ち崩したり、過剰な自己嫌悪に陥ったりします。
そのため、成長する過程の中で、大人たちはどちらにも行き過ぎない様にと行動を制限し、多くの場合子供たちも選択肢を制限して成長していきます。
特に日本では、あらゆることにおいて『平均であること』『真ん中にいること』を良しとする風潮があるので、その傾向は強いと思います。
けれど、常に真ん中にいればいいのかというとそういうわけでもなく、両極端を経験することでその距離感を知ることも大切なことです。
対立した価値観のどちらかに針が振れすぎることも、常に真ん中にいることも、どちらも等しく偏った経験なのです。
無条件に信頼することの怖さや、信じられない心の窮屈さ、羽目を外して朝まで遊ぶ日々や、ストイックに生活を正そうとすることなど、正反対の価値観を知ると、反対側を受け入れられないという考え方がなくなっていきます。
人によって持って生まれた気質や体質、時と共に変わる部分などいろいろな要素があるので、自分らしく生きていくには「これが正しい」と言われている他人の価値観ではなく、その時々の自分の気質や体質に合わせたバランス点を見つけることが必要になります。
この『自分にとってのバランス点を見つけることが必要だ』という感覚を持っていると、他者にとってのバランス点を尊重することができるようになります。
ダイエットがいい例ですが、ある人にとっては糖質制限がぴったりでスルスルと痩せることができたとしても、ある人にとっては頭痛を引き起こしてとても辛いものであったり、またある人にとってはカロリー制限が合ったとしても、別の人にとってはストレスが溜まってより太ってしまったり。
自分の経験はあくまで自分のもの。他人の経験はあくまでも他人のもの。それは同一の価値があるものです。
自分にとって良いか悪いかという観点から判断を下していると、柔軟な思考は遠ざかっていきます。
柔軟な思考 とはバランスを取ること
人は自分が欲しい物を相手に求めるけれど、相手には同じ理由で与えようとするし、与えまいともします。
つまり、自分が欲しいと思っているから与える人と、自分が欲しいと思っているから与えない人がいて、欲しいと思っているから与えない時と、欲しいと思っているから与える時があるということです。
本当は自分がやりたいと思っていることに挑戦している人を遠ざけたり、反対に応援したりすることも同じです。
対極の価値観を知ると、自分や周囲の人が取る行動の根本にあるものや、価値観のバロメーターのどこに自分がいて相手がどこにいるのかということが見えてきます。
その中で、バロメーターの針を自在にコントロールすることが、思考の柔軟さになります。
視点の位置を変えたり、抽象度を変えたり、その時々でバランスを取ること。こうした考え方が、視野の広さや、相手が求めるものを理解する柔軟さに繋がっていきます。
まとめ
偏った経験は、時に柔軟な考え方の邪魔をしてしまうことがあります。
あらゆることに対極な価値観があるこの世界では、両極端を経験することでその距離感を知ることも大切なことです。
かといって、対極にある価値観の全てを体験するには人生は短すぎます。
本があり、映画があり、漫画があり、インターネットがあり、人と話すことができる環境を最大限に活用して、その距離感を掴んでいきましょう。
そして、その中で自分にとってのバランス点を知るという過程を通して、バランス感覚を養いコントロールすることが、柔軟な思考を養う術になります。
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