最初の記事で、物事には表面的な部分と見方を変えることで見えてくる「奥行き」があるとお話ししました。
奥行きに目を向けることで世界は立体感を増し、楽しめることの幅が広がっていきます。
今、目の前にある物が特別な物に見えたら、素敵なことだと思いませんか?
奥行きとは、あらゆる物のさらに奥を見るという意味であり、物・事・人・関係性・行為など、すべてに当てはまりますが、今回は「物」に着目して、奥行きをみる練習方法をお伝えしたいと思います。
物の表面的な捉え方
例えば目の前にリンゴがあったとして、表面的な捉え方は「リンゴ」ですね。そこにディテールを加えたとしても「小さいリンゴ」とか「熟したリンゴ」とかになると思います。
しかし、奥行きを見るという事は、「細部まで観察する」という事とは意味が異なります。
ストーリーに想いを馳せる
リンゴがあなたの目の前にあるという事は、それを運んできた誰かがいて、それを購入したお店があり、そのお店に配送した人がいて、製品として出荷した人がいます。さらに栽培した農家さんがいて、品種改良に努めた人や土壌を整備した人、肥料を作っている人や、土地を開墾した人もいます。そのリンゴの名前を考え、ロゴを考え、営業によって流通網を開拓し、たまたまあなたの近くのスーパーがそれを取り扱いました。
一つのリンゴを巡る物語を想像しようと思えば、まだまだこんなものでは足りないくらいです。でもこの背景を想像し、認識を深めれば、ただのリンゴから、目の前に存在するまでの物語を持ったリンゴになるのです。
仏教ではこれを「縁起」と呼んでいます。人は存在しているだけで常に誰かと関わっていて、それ故に孤独さはすべて幻想だと言っている訳です。
例えばあなたの親戚に米農家がいるとするなら、その米を普段食べているのは、あなたのスーパーにリンゴを営業した人かも知れないし、あなたが教師なら、ロゴを考えた人の子供が通学しているかも知れません。
あなたがそのリンゴを誰かにプレゼントして喜ばれたとするなら、大勢の人のおかげで喜んでもらえたという言い方も出来ます。
奥行きを感じる
この一見ありえないような事に対して、臨場感というリアリティを持つ事こそが、「豊かさ」なのだと僕は考えています。
つまり、目の前に存在しているリンゴの奥を見るという行為は、自らの人生を豊かにする事に繋がっているのです。
物語を意識し、色んな人が関わってそれが存在する、という事を認識することが奥を見る練習です。
そうすると、目の前の物と出会った事がとても凄い事のように感じ始めます。そして、思いがけず心の底から感謝の気持ちが湧いてきて、美しい涙が流れることもあるでしょう。
そうやって生活すると、すべての物が愛しくて優しい気持ちになるのです。
あなたが捨てたゴミを回収してくれる人はどんな人でしょうか?どんな夢を持っているでしょう?あなたが今日、食事した定食屋さんの店員さんはどうでしょうか?そこで出された食材はどうでしょう?
あなたが生きている事も、呼吸の一つ一つにも、食事にも食事をするという行為にも、他人との触れ合いやコミュニケーションにも、まだ奥があるのです。
この世界にはまだあなたの知らない奥行きがあり、それは意識を広げる事によって認識できるようになるのです。
まとめ
「奥行きを見る」この感覚を掴むためには、実践あるのみです。まずは、今日お伝えした「物を通して奥行きを見る」ことをやってみてください。
対象はなんでも構いません。今あなたの周りにある物の物語を意識して、たくさんの人が関わっている、そしてその全てが自分に繋がっている事を感じてみましょう。
最初の内は頭で考えてしまうと思いますが、繰り返していく内に考えるのではなく感じられる様になります。
これからも様々なシチュエーションで奥行きに目をむける方法をお伝えしていきますね。
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