カスタマージャーニーマップ を作成するには、大まかに6つの手順があります。
前回の記事でカスタマージャーニーの概要とメリットについて解説しましたので、今回はそれぞれのポイントと共に、カスタマージャーニーマップの作成方法について紹介します。
この記事の目次
カスタマージャーニーマップを作成する 手順
それでは実際にカスタマージャーニーマップを作っていきましょう。
今回はWi-Fiサービスを例にとって作成の手順を説明していきます。
手順1 ペルソナを定める
ペルソナが達成したいことと、その理由を書き出します。
その際、年齢、性別、職業、家族構成、性格といった基本情報や一日の行動パターンなど、ペルソナをより具体的に定めておくことがポイントになります。
今回の例では、ペルソナをSNSのヘビーユーザーで、個人旅行で初来日した外国人女性(22)と仮定します。すると「ホテルに着くまでに満足できる通信環境の元で、SNSに投稿したい」といった、解決したい課題が見えてきます。
手順2 ペルソナの行動範囲を決め、行動ステップを書き出す
ペルソナの行動範囲を決めます。カスタマージャーニーマップを作る際のポイントは、行動の範囲をどう定めるかにあります。
今回の例では、ペルソナが旅行を計画し、実際に使用して返却するまでを行動範囲とします。
行動範囲を限定することで、新たな気付きが得られやすくなります。
手順3 ペルソナの行動を収集する
次に、ステップごとにペルソナの行動を時系列に書き出していきます。
起業する際に他のメンバーがいるのであれば、メンバーとワークショップ的に行うことをオススメします。マインドマップのアプリや、付箋に書き込みホワイトボードに貼り付けていくなど、環境にあったツールを使いましょう。複数人で考えることでペルソナの行動を多角的に捉えられ、見落としを防ぐことができます。
最初は行動を大まかに書いても構いませんが、それぞれを分解しながらより詳細な行動に落とし込んでいきます。人間の行動には理由があるので、「ペルソナがなぜその行動を取ったのか」「どんなことを考えていたのか」なども書き込んでいきましょう。
行動だけでなく行動の理由を書き込むのは、顧客の感情と思考を知るためです。サービスの提供者が顧客体験に共感を深めることで、サービスを使ってもらうためのアプローチ方法が少しずつ具体的になっていきます。
手順4 媒体を書き出す
一般的に顧客の行動パターンは「時間軸がない行動」「何かが終わって何かが始まる行動」「時間軸がある行動」の3つに分類できるとされています。
これら3つに分類された行動パターンについて、媒体を軸に整理することで「感情や思考、課題」と「行動と媒体」の関係性が容易に見渡せるようになります。
今回の例でいえば、日本国内でWi-Fiを利用するために、出国前に知人から情報収集するかもしれませんし、ウェブサイトで情報を集めるかもしれません。日本に到着してから航空会社のグランドスタッフにWi-Fiを使える場所をたずねるという事も考えられます。
こうした媒体を図にしておくと、よりカスタマージャーニーに具体性を持たせることができるようになります。
手順5 行動ごとに感情を書き出す
人の感情は行動によって変化が生じます。そのため、カスタマージャーニーマップには、行動ごとに感情の波を書き出して可視化していきます。特に「行動によってどの程度不満を感じているのか」「どこで不満がピークに達するのか」といった不都合を感じている場面は、しっかりと書き出しましょう。
顧客の購買行動には、製品を認知する→興味、関心を持つ→情報を収集する→記憶する→購入に至る→情報を共有するというステージがあります。
ペルソナが不都合を感じている点、もっといえばそれがピークに達する点で、あなたが考えた起業アイデアを認知させて、それを購入することによって不都合を解消できれば、それが「顧客が本当に欲しいもの」につながるからです。
今回のペルソナの場合は「一日でも借りる日を短くしたい」「英語対応してもらえるか心配」「充電を気にしたくない」「同じ空港でしか返却できない」などが挙げられます。
手順6 ペルソナの課題を書き出す
ここまでの項目を書き終えたら、改めて全体を見渡して、ペルソナが抱えている課題が何かをまとめ上げます。
ペルソナが不満に感じるポイントと情報収集する媒体を押さえることで、購買行動のステージ毎にどの様なアプローチをすればいいかが見えてきます。
カスタマージャーニーマップ を作成する コツ
カスタマージャーニーマップをうまく作るコツは、ユーザーの行動や感情を頭で考えるのではなく、感じることです。思考に頼ると、自分にとって都合の良い展開になってしまうことがあります。
最初から作りこもうとせず、まずは作ってみましょう。進まない項目や、情報が少ない項目は、顧客に関して自分たちが理解できていない部分ということです。
最初は感覚が掴めないかもしれませんが、段々と行動が読めるようになっていきます。そしてここでも、全体を俯瞰し詳細を詰めるという、ズームイン・ズームアウトの視点が養われていきます。
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